健康心理学を学んだ学生に教壇に立ってもらいたい
(掲載日:2015年05月28日)佐野秀行
教育社会学を専攻している私が健康心理学科の末席を汚すようになって今春で6年になる。着任と同時期に生まれた私の子どもは今春小学生になる。結構な時間であるが、私が健康心理学科の学生の学習や成長にどれほど貢献できただろう。これまでのことを振り返りつつ、現在の私の仕事と今後の抱負を述べたい。
私が大阪人間科学大学に着任したのは、大阪人間科学大学に教職課程を設置し、教職課程の科目を担当するためであった。多くの教職員の方から協力を頂き、法令、通達と首っ引きになりながら申請書類を作成し、文部科学省とやりとりしたことを覚えている。申請は2度(2009年と2010年)行い、本学で高校「公民」、中学校「社会」と特別支援学校の免許を取得できるようになった。教職課程の1期生が昨年から教壇にたち、2期生も採用試験に合格し、この春から教壇に立つことになっている。私個人は十分な指導・助力ができたとは思わないが、学生たちが単に資格としてではなく、一生を通じてとりくむ職業として教職を選びそれに向けて努力したことを誇りに思っている。
健康心理学科にとって教職課程はオプションの一つであるが、教職課程にとっては健康心理学科の専門教育は不可欠な要素である。なぜなら教員免許において学位は基礎資格に位置づけられており、本学科で心理学の素養をもった教員を養成することは、戦後の教員養成の特徴である開放制(一般の大学で多様な専門をもった視野の広い教員を養成すること)の理念に沿った社会的使命といえるものだからである。
教職課程を履修している学生は他の学生よりも多くの授業を履修し、やる気のある学生である。彼(女)らの期待に応えなければと思うし、より多くの学生に教師の仕事や教育への関心を高めることで教職課程を通じて大学の改善に貢献したいと考えている。学生、教育にはそれだけの力があると信じている。
他力本願であるが今後は教職課程の運営をより多くの学科の先生方、さらには大学全体を巻き込んで推進していきたい。健康心理学の素養を持った教員が学校で活躍することは時代の要請でもあると考える。